GSMとは
GlobalSpectralModelの略称で、日本語では、全球数値予報モデルといいます。
水平格子間隔20kmで地球全体を計算領域とし、1日4回(6時間ごと)で発表し、264時間先(00,12UTC)または132時間先(06,18UTC)までの予測時間間隔6時間で予測計算をしています。
データに含まれる物理量として、
気圧面では、ジオポテンシャル高度、東西風、南北風、気温、鉛直流、相対湿度があります。
地表面では、データに含まれる物理量として、海面更生気圧、地上気圧、東西風(10m)、南北風(10m)、気温(地上1.5m)、相対湿度(地上1.5m)、上層雲量、中層雲量、下層雲量、全雲量、積算降水量があります。
GSMデータの取得
本記事では、京都大学の気象庁データを利用させていただきます。
オリジナルのGSMデータは、国際気象通報式FM92 GRIB 二進形式格子点資料気象通報式(第2版)というデータ形式になっています。
wgetコマンドで取得しましょう。
$ wget http://database.rish.kyoto-u.ac.jp/arch/jmadata/data/gpv/latest/20210717/Z__C_RJTD_202107170000_GSM_GPV_Rjp_L-pall_FD0000-0312_grib2.bin
上では、2021年7月17日の00UTC初期値の気圧面データである日本域のGSMデータを取得しています。
NetCDFファイル作成
wgrib2コマンドでNetCDFファイルに変換します。
$ wgrib2 Z__C_RJTD_yyyyMMddhhmmss_GSM_GPV_Rjp_L-pall_FHhh-hh_grib2.bin -netcdf out.nc
NetCDFファイルを作成した場合、コントロールファイルを作る必要がなく、GrADSで描画できます。
GrADSで描画
本記事では、GrADSで描画します。
sdfopen
でNetCDFファイルを開きます。
ga -> sdfopen out.nc
q file
でファイルの中身を確認できます。
ga -> q file
Scanning self-describing file: out.nc
SDF file out.nc is open as file 1
LON set to 120 150
LAT set to 20 50
LEV set to 0 0
Time values set: 2021:4:26:0 2021:4:26:0
E set to 1 1
ga-> q file
File 1 :
Descriptor: out.nc
Binary: out.nc
Type = Gridded
Xsize = 121 Ysize = 151 Zsize = 1 Tsize = 29 Esize = 1
Number of Variables = 92
hgt_1000mb 0 t,y,x Geopotential Height
ugrd_1000mb 0 t,y,x U-Component of Wind
vgrd_1000mb 0 t,y,x V-Component of Wind
tmp_1000mb 0 t,y,x Temperature
vvel_1000mb 0 t,y,x Vertical Velocity (Pressure)
rh_1000mb 0 t,y,x Relative Humidity
hgt_975mb 0 t,y,x Geopotential Height
ugrd_975mb 0 t,y,x U-Component of Wind
vgrd_975mb 0 t,y,x V-Component of Wind
tmp_975mb 0 t,y,x Temperature
.........
x方向121格子数、y方向151格子数、z方向はなし、時間方向に29ステップ(1ステップ3時間で87時間先まで)あることが分かります。
変数hgtがジオポテンシャル高度、vvelが鉛直流、ugrdが東西風、vgrdが南北風、tmpが気温、rhが相対湿度です。
それに、高度1000mbから100mbまであります。z方向がない3次元の変数であるため、変数名が92個と異常に多いです。
500hPaの気温を描きたいなら
ga -> d tmp_500mb
set t
で時間を変えることができます。
以上です。